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A-I-3 |
川崎病における動脈瘤を伴う冠動脈高度石灰化病変に対するロータブレータ治療の有効性 |
千葉西総合病院循環器内科
登根健太郎,三角和雄,飯塚大介,久保隆史,板倉靖昌,広瀬 信,加納 寛,倉持雄彦,芝山 宏,新田正光 |
【背景】川崎病は,急性期の後に動脈瘤を伴う冠動脈高度石灰化病変が出現するため,治療に苦慮することが多い.これらの石灰化病変は,今までのバルーンやステントを用いた治療だけではうまくいかない.われわれはこのような狭窄病変に対し,積極的にロータブレータを用い,高い成功率と望ましい臨床経過が得られたので報告する.【方法】動脈瘤を伴う石灰化病変51(LMT = 4,LAD = 36,LCX = 1,RCA = 10),42症例(男:35,女:7,平均年齢17.3 ± 4 歳)に対してバルーンやステントを用いずにロータブレータのみで治療を行った.IVUSを施行し,Burr/artery ratioが0.7以上か最大2.38mmまでロータブレータを行った.症例は治療後 3~67カ月の間に冠動脈造影およびIVUSによるfollow-upを行った.結果:手技的および臨床的な成功率は100%であった.平均15.5カ月 ± 4 カ月(最大67カ月)のfollow-upで再狭窄/TLRは7.8%(4/51)/7.8%(4/51)であった.狭窄を伴わない新生動脈瘤が,1 症例(2.0%)に認められた.再狭窄はまれであったが,動脈瘤に近接した部分よりも,器質化した動脈瘤の中に多くみられた(p < 0.05).また,バーサイズが2.38mm未満の場合も2.38mm以上と比べてより再狭窄が多かった(p < 0.05).年齢や性別には関係がなかった.ロータブレータ後の冠動脈内径の拡大が頻回にみられた(48.9%,22/45).特に20歳以下の症例(p < 0.05),LAD(p < 0.05),動脈瘤の辺縁(p < 0.05)でそれぞれ有意に認められた.【結論】(1)ロータブレータは高い初期成功率と 5 年以上にわたる低い再狭窄率の点から,川崎病における冠動脈病変に対する非常に有効な治療法と思われた.(2)若年者,LAD,冠動脈瘤近接部分,大きな血管系でみられた残存狭窄の改善は,良好な長期予後に寄与するのではないかと考えられた. |
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