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B-I-14 |
hANPの治療効果予測としてのFeNaの重要性 |
埼玉医科大学小児心臓科
熊谷晋一郎,先崎秀明,熊倉理恵,岩本洋一,杉本昌也,石戸博隆,増谷 聡,松永 保,竹田津未生,小林俊樹 |
【目的】腎不全に対するhANPの治療効果が認められつつある.しかしその効果は個人差が大きく,血圧低下によってかえって腎機能を悪くする場合もある.どのような症例で安全かつ効果的か事前に予測できれば臨床的に大変有用である.われわれは経験的・理論的にFeNaがhANP効果予測の指標として有用と推定し,その検討を試みた.【理論】腎灌流圧が一定以上で(RAAS/SNSのtonusが一定以下),静脈プールが十分(hANPの分泌が一定以上)であれば有効性が期待できる.つまりhANP-RAAS/SNS balanceがある程度前者に傾いている場合hANPが有用と推定され,その臨床的な指標としてFeNaを採用してみる.【方法】血圧が十分であるにもかかわらず利尿が得られない症例に対して,hANPを0.05μg/kg/minから始め,血圧と治療効果を見ながら0.4μg/kg/minを上限として増量していく.Creの低下,尿量の増加,腎エコーにおける血流パターンの改善(S/D ratioの低下),透析導入の有無を治療効果の指標として,治療前のFeNaと治療反応性との関係を検討する.【結果】FeNa 0.4%の症例はエプスタイン奇形術後で,hANP 0.2γ使用によってCreの軽度低下と尿量の増加が認められた.FeNa 0.1%以下の症例はTAPVR術後で,近位尿細管機能低下を伴う腎機能障害があった.hANP 0.04γに有意な反応はなく,翌日PD導入となった.FeNa 3.1%の症例は,薬剤・もしくは感染に伴うnephrotoxicなARFが疑われたが,hANP 0.04γが著効した.【まとめ】心原性の腎不全において,治療前のFeNaが高値なほど,hANPの治療反応性がよい傾向がみられた.今後は,hANP適応となる具体的なFeNaの数値提示を目指し,データ収集をしていく必要がある. |
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