E-I-23
学校心電図検診における異常Q波の検討
横浜市立大学附属病院小児循環器科
赤池 徹,岩本眞理,佐近琢磨,瀧聞浄宏,西澤 崇,鉾崎竜範,志水 直,渡辺重朗

【背景】小児の肥大型心筋症(HCM)は予後不良な疾患であり,急死または心不全で死亡する率が高い.近年,HCMでは心電図異常が壁肥厚に先行して出現するといわれており,学校検診で比較的早期の無症状の時期に発見されるようになってきている.【目的】学校心電図検診で異常Q波(0.5mV以上)を認めた症例の心電図の特徴とHCMとの関連を検討すること.【方法】2000年 4 月~2004年12月に学校心電図検診で異常Q波を指摘され受診した35例〔男:女 = 25:10,年齢 6~16歳(平均 8 歳 7 カ月)〕の標準12誘導心電図を記録し,その特徴的所見と,超音波心エコー検査での所見を検討した.【結果】経過フォロー中超音波心エコー上HCMと診断したのは 5 例であった.0.5mV以上の異常Q波でのHCMの感度は14.3%(5/35)であった.0.7mV以上では,感度は31.3%(5/16)であった.またST変化を認めた 3 例は全例HCMであった.【結語】深い異常Q波を認める症例はHCMの可能性があり,経過をフォローしていく必要があると考える.

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