P-I-A-6
新生児期Jatene手術後の胸腺腫大について
横浜市立大学医学部付属市民総合医療センター小児科
西澤 崇,岩本眞理,瀧聞浄宏,赤池 徹

【目的】新生児期にJatene手術を受けた症例に認められる胸腺腫大について調査した.【対象】2002年 1 月~2004年12月に当院にて大血管位置換術を施行したTGAあるいはDORVの22症例.【方法】retrospectiveに胸部X線写真にて心陰影の大きさをfollow upした.超音波検査にて縦隔影の拡大が胸腺であることを確認した.【結果】22例に術後 3 カ月より有意な胸腺腫大を確認した.術後 1 年 6 カ月後には全例胸腺の縮小を確認し,縦隔影の正常化を認めた.【考察】新生児期にJatene手術を受けた症例は全例一過性の胸腺腫大が確認された.今回の調査の対象はJatene手術を施行した症例に限られたが,新生児期における開心術施行症例の非特異的反応であることも十分考えられるため,今後truncusやIAA,TAPVRなどの新生児期根治手術施行例についても検討予定である.また,prospectiveに胸腺腫大症例の免疫能についても調査が必要と考えられた.

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