P-I-C-3
乳児期先天性心疾患患児に対する無呼吸モニター装着の試み
国立循環器病センター小児科
坂口平馬,渡辺 健,吉田葉子,竹川剛史,羽二生尚訓,越後茂之

【はじめに】高肺血流心疾患患児において上気道および下気道に問題を抱え,肺血管抵抗が上昇する症例をよく経験する.とくに21trisomyでは気道の問題はその手術適応を決定するに非常に大きな要素である.今回われわれは当センターに入院したASD,VSDもしくはCAVCを合併した21trisomyの患児 7 例に対し,合計10回の無呼吸監視を行った.【方法】ASD,VSDもしくはCAVCを合併した21trisomy患児 7 例を対象に合計10回の無呼吸監視を行った.モニターはmorpheus®を使用し,無呼吸監視は哺乳開始から次の哺乳までの 3 時間に行った.また成人では無呼吸を10秒以上の気流停止,低呼吸を振幅が通常の50%以下に低下するものと定義して測定しているが,乳児におけるデータはまだ明らかとはなっておらず,無呼吸を最低無呼吸低呼吸持続時間で10秒,7 秒,5 秒以上の 3 通りに定義し,さらに低呼吸は鼻カヌラでの気流の最大振幅が50%,60%,70%以下に落ちたときの 3 通りで解析し検討した.【結果】対象患児 7 例全例において閉塞性の無呼吸および低呼吸を認めた.うち 1 例は扁桃肥大を合併しており,扁桃摘出後に再検査し著明な改善が確認された.またもう 1 例はRSウイルスによる気道感染の既往があり肺の高度な間質性変化を有しており,酸素吸入療法を併用し,その後無呼吸の頻度が改善していることが確認された.また無呼吸および低呼吸の定義は成人と同様に無呼吸を10秒以上の気流停止,低呼吸を振幅が通常の50%以下に低下するものとしても,感度をそれ以下に下げた場合でもデータに大きな変動は認められなかった.【考察】乳児においてもmorpheus®は信頼に値する無呼吸監視が行えるものと思われた.

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