P-I-E-12
川崎病に対するガンマグロブリン超大量療法において 6g/kg以上を必要とした例の検討
愛媛大学医学部小児科1),愛媛県立中央病院小児科2)
高田秀実1),檜垣高史1),村上至孝1),山本英一2),太田雅明2),村尾紀久子2),中野威史1),松田 修1),長谷幸治1),高橋由博1)

【背景】川崎病に対する治療としてガンマグロブリン超大量療法(2g/kg × 1 回投与もしくは1g/kg × 2 回投与)が主流となりつつある.ガンマグロブリン超大量療法が冠動脈障害の発症頻度とその重症度を低下させるとの報告がある一方で,依然として追加投与を必要とする不応例が存在し,冠動脈障害の発生をゼロにすることはできてはいない.特に超大量療法では追加投与量も以前と比較して多くなっていることが予想され,それらに伴ってガンマグロブリン投与の副作用も強く表れてくることが予想される.【対象・方法】2003年 1 月~2005年 1 月に愛媛大学医学部小児科,愛媛県立中央病院小児科に入院した川崎病患児のうち,ガンマグロブリンを 6g/kg以上投与した 9 例を対象とした.ガンマグロブリン投与量,有熱期間,冠動脈障害の有無,副作用などについて入院診療録を後方視的に検討した.【結果】ガンマグロブリン投与量は平均9.7g/kg(6~15.5g/kg),有熱期間は平均18日(11~43日)であった.全例でウリナスタチンを併用し,1 例ではサイクロスポリンを使用した.肝機能障害,高蛋白血症は全例に認めた.冠動脈瘤の形成を 2 例,一過性拡大を 4 例に認めた.全例において貧血,連銭形成を認めた.1 例では輸血を行う必要があった.【考察】ガンマグロブリン超大量療法が標準的になるに伴い,追加投与量増加に伴う副作用も多くなることが予想された.特に貧血は頻度の高い副作用と思われた.血液が過粘稠になることで血栓症を引き起こすことも懸念された.川崎病ftp://cheval-stone:m2uxt8uyzk@cheval-stone.sakura.ne.jp//home/cheval-stone/www/_site_lib_cs/setting.phpのガンマグロブリン超大量療法不応例においてはステロイド,免疫抑制剤,血漿交換など補助療法の適切な使用方法の開発がこれらの副作用を減少させ得ると思われる.

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