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K-VII-7 |
房室不一致におけるtwin AV nodesを介した房室回帰性頻拍に対するアブレーション治療 |
東京女子医科大学循環器小児科1),東京女子医科大学循環器内科2)
高橋一浩1),中澤 誠1),庄田守男2) |
【背景】房室不一致(AVD)や内臓心房錯位(heterotaxia)合併する複雑心奇形では房室結節が2つ存在することがある(twin AV nodes).このtwin AV nodesを介した房室回帰性頻拍(AVRT)に対しアブレーション治療を施行してきた.【目的】twin AV nodesを介したAVRTに対するアブレーション治療とその成績につき検討.【対象】複雑心奇形のtwin AV nodesを介したAVRTと診断しアブレーション治療をした20症例(女性 7 例;平均年齢11歳),heterotaxia 13例,平均最終手術年齢6.6歳,術後平均観察4.5年.【方法】洞調律下,あるいは,心房ペーシング下に房室弁輪部のマッピングを行った後,後方HBEでは房室弁輪部の心室中隔後方,いわゆる,crux周辺,前方HBEは前方房室弁輪部で大血管近傍を目安に詳細にマッピングした.それぞれ時相が異なるHBE様電位を確認しtwin AV nodesと診断.次に心房早期刺激で頻拍を誘発.前後房室伝導の優位性については,心室ループの考え方を基本にしたが,術前のQRS波形から優位性がはっきりしている場合はそれを根拠にした.ターゲットのHBE様電位記録部位の近傍で心房ペーシングを行いRF通電.片方のHBEのみ確認できた場合は頻拍中の心房最早期興奮部位にてRF通電.【成績】18例で後方His,2 例で前方Hisに対して施行.biventricular repair 施行 4 例中 3 例で後方Hisに対して施行.フォンタン手術施行16例中15例で後方Hiに対して施行.18例で頻拍は誘発されなくなった.不成功の 2 例は外科的にAVN modification術を追加.房室ブロック症例なし.2 例で術後に再発し再度治療.【考察および結語】twin AV nodesが存在する先天性心疾患はおもに複雑心奇形である.治療戦略上,術前にtwin AV nodesを診断し,これらを介したAVRTをアブレーション治療することは非常に重要であり急性期および中期的治療成績は良好.今後も慎重な経過観察が必要である. |
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