K-VII-8
心内修復術後の心房内回帰性頻拍に対してelectro-anatomical mapping法を使用したカテーテルアブレーション施行例の検討
日赤和歌山医療センター第二小児科
豊原啓子,福原仁雄,田里 寛,鈴木嗣敏,中村好秀

【目的】心内修復術後の心房内回帰性頻拍に対してelectro-anatomical mapping法を使用してカテーテルアブレーション施行をした30例について検討した.【結果】30例中25例でアブレーションに成功した(成功率83%).通常型心房粗動(AFL)7 例(うち 3 例がダブルスイッチ術後),心房切開線や低電位領域(LVA),scarを旋回するマクロリエントリー頻拍(IART)が10例,AFLとIARTの合併が 7 例,focalなリエントリー頻拍(FAT)5 例,AFLとFATの合併が 1 例であった.AFLに対しては三尖弁(TA)(または僧帽弁)から下大静脈(IVC)間を,IARTに対しては心房切開線と考えられるdouble potential(DP)からDP,TA,IVC,scarなどに線状RFCAを,FATに対しては最早期心房興奮部位にRFCAを行った.9 例に洞機能低下を認めた.5 例は検査中頻拍が誘発されないまたは持続しないため,また 1 例は頻拍中の血行動態が不安定なため,右房ペーシング下または冠静脈ペーシング下に心房マッピングを行った.不成功例は高度三尖弁逆流などによる拡大した右房のため,カテーテル操作が困難であった.DPやscarは右房外側下方に認めることが多かったが,Blalock-Hanlon手術を行った大血管転位の 2 例は右房後面に,またFontan術後(atrio-pulmonary connection)3 例では複数のLVA,scarが広範囲に認められた.【考察】心内修復術後の心房内回帰性頻拍の回路の同定にはelectro-anatomical mapping法が有用であった.また薬剤抵抗性が多くカテーテルアブレーションは有効な治療法と考えられた.

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