P-II-B-6
動脈管依存型先天性心疾患に対するPGE1-CD製剤の投与量(特に低用量での効果)の検討
大垣市民病院小児循環器新生児科1),大垣市民病院胸部外科2)
西原栄起1),倉石建治1),田内宣生1),中島正彌2),石本直良2),六鹿雅登2),横手 淳2),横山幸房2),玉木修治2)

【背景】PGE1-CD製剤はlipo-PGE1製剤に比べ開始量,維持量ともより多い量が推奨されているが,低用量でも十分な動脈管開存効果が得られるとの報告がされている.当院では以前よりPGE1-CD製剤を,ショック例を除き,より低用量(10ng/kg/min以下)で開始,維持することで良好な動脈管開存効果を得ているが,この投与量での有効性,副作用等の検討がされていない.【目的】低用量で使用した際の効果,副作用,投与量について検討すること.【対象と方法】対象は2000年12月~2004年12月に当院でPGE1-CD製剤を使用した動脈管依存型先天性心疾患33例(動脈管依存性肺血流型12例,動脈管依存性体血流型 9 例,肺体循環混合型 7 例).ショック例は 5 例(肺血流型 2 例,体血流型 3 例)あった.【結果】ショックの 5 例を除く28例のPGE1-CD開始量は3.80 ± 1.87ng/kg/m,最大量は5.43 ± 3.88ng/kg/m,維持量は4.57 ± 4.05ng/kg/mであった.ショック例では開始量17.0 ± 18.7ng/kg/m,最大量200.8 ± 135.9ng/kg/m,維持量160.8 ± 161.5ng/kg/mであった.副作用は無呼吸,血管炎,浮腫等がみられた.用量依存性に出現頻度が増したが,個々の症例で差がみられた.【まとめ】ショック例以外の動脈管依存性先天性心疾患において,推奨量よりも低用量で十分な動脈管開存効果が得られることが示唆された.また,副作用出現頻度も少なく,PGE1-CD製剤は第一選択の薬剤になりうると思われた.

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