P-II-C-3
フォンタン術後の心拍解析
あいち小児保健医療総合センター循環器科
福見大地,安田東始哲,沼口 敦,長嶋正實

【背景】フォンタン術後の心拍は,cardiac autonomic nervous activities(CANA)やneurohorumoral activities(NHA)との関係が示唆されており,特にCANAの低下が報告されている.その意義や詳細は明らかではない.【目的】フォンタン術後のホルター心電図を解析し,心臓迷走神経機能について考える.【対象・方法】当センターでフォンタン術後のホルター心電図を記録した 6 例(1 歳 9 カ月~8 歳 2 カ月,平均 3 歳 5 カ月で,術後 3 カ月以内が 5 例,術後 4 年が 1 例,全例心外導管法).ただしペースメーカ装着者は除外した.平均心拍数,最大心拍数,最小心拍数,LF(0.04~0.15Hz),HF(0.15~0.40Hz),LF/HF(夜間不整脈のほとんどみられない 5 分間)を調べ,年齢をマッチさせた先天心を合併しない 6 例(コントロール群)と比較検討を行った.【結果】フォンタン術後の平均心拍数は107.3/min,最大心拍数は136.3/minとコントロール群に比し,有意に高かった(0.01 < p).LF 36.8,HF 50.8 とコントロール群より有意に低く(0.01 < p),LF/HF 0.8 はやや高い.【考察】フォンタン術後は心臓自律神経活動が著明に低下している.平均心拍数,最大心拍数上昇は,心臓迷走神経機能が抑制されているために,交感神経有意であるためと考えられる.

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