P-II-C-6
小児期の心筋障害の評価に123I-BMIPP心筋シンチは有用である
京都府立医科大学大学院医学研究科発達循環病態学
浅妻右子,糸井利幸,小林奈歩,加藤竜一,藤本一途,奥村保子,梶山 葉,田中敏克,白石 公,浜岡建城

【背景】123I-BMIPP(B法)は心筋の脂肪酸代謝を反映するトレーサーであり,その意義は心筋バイアビリティの同定であるが小児の心疾患における有用性の報告は少ない.今回小児における心臓/縦隔カウント比(H/M比)やwashout ratio(%WR)と心機能の関係について後方視的に検討を加えた.【対象】2003年 8 月~2005年 1 月にB法を施行した心疾患患児31名のうち22名:疾患は冠動脈病変を有する川崎病と心筋障害のあるBWG症候群,化学療法後心不全,心筋炎(平均 7 歳).【方法】安静時に123I-BMIPPおよび201Tlを静注し撮像はplanarとSPECTを併用し早期(0,0.5hr)と後期(4hr)に撮像を行った.H/M比と%WRを算出しBNPや心エコーでのFSと対比した.2 群間の差の検定はマン・ホイットニー法を施行(数値は平均 ± SD).【結果】検査時FSが30%以上と30%未満の 2 群についてH/M比(0hr)は2.24 ± 0.26,1.87 ± 0.06(p = 0.007),H/M比(0.5hr)は2.17 ± 0.31,1.83 ± 0.06(p = 0.026),H/M比(4hr)は1.82 ± 0.19,1.56 ± 0.08(p = 0.015)と,H/M比は心機能低下群で有意に低値を示した.BNPが100pg/ml以下の症例ではH/M比(4hr)は1.76 ± 0.18(1.57~2.05),100pg/ml以上の症例では1.46 ± 0.07と重症心不全例で有意に低値となった(p = 0.0253).川崎病巨大瘤発症例(2 例)で急性期~亜急性期における%WR(4hr)は31→26%,32→26%と減少しBWG症候群(2 例)で術後経過にあわせて34→30%,32→24%と減少した.【結論】小児においても心筋障害で脂肪酸代謝障害が起こる.B法でH/M比と%WRを用いることで心機能を評価しうる.

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