P-II-C-7
99mTc-tetrofosminを用いた心筋症の心筋障害の評価
国立循環器病センター小児科
羽二生尚訓,黄瀬一慶,坂口平馬,元木倫子,吉田葉子,渡辺 健,越後茂之

【背景】心筋シンチは心筋血流および心筋viabilityを評価するのに有用である.心筋症においては,拡張型心筋症(DCM)や肥大型心筋症(HCM)の拡張相への移行の際にmottledな集積低下を認める.【目的】心筋シンチ(99mTc-tetrofosmin)により心筋障害の程度や進行を評価する.【対象】当センターで2004年に心筋シンチ(99mTc-tetrofosmin)を施行した心筋症16名.DCM 9 例,HCM 6 例,拘束型心筋症(以下RCM)1 例.【方法】99mTc-tetrofosminを静注で安静時投与し,1 時間後に撮影を行った.心筋虚血は病変部の%uptakeで評価した.左室駆出率(以下EF)はマルチゲート法で求めた.【結果】DCMでは 9 例中 8 例にperfusion defect(以下PD)を認めた.うち 5 例にmottledな集積低下を認めた.EFはPDを認めなかった 1 症例を除いた 8 例すべてで低下していた(9~48%).HCMでは 6 例中 5 例にPDを認め,うち 4 例にmottledな集積低下を認めた.さらにこのうち 2 例はEFが低下しており,症状,エコー所見などからHCMの拡張相への移行と診断された.RCMの 1 例ではPDは認めず,EFも保たれていた.【結論】99mTc-tetrofosminはDCM,HCMにおいて心筋障害の評価に有用であり,特にmottledな集積低下は心筋障害の進行を示唆する所見として重要な指標になる.

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