P-II-C-14
川崎病再発例の検討
青森県立中央病院小児科
中田利正

1991~2003年に発症し,当科で急性期管理を受けた川崎病再発例を検討した.再発例はのべ 6 例/139例(4.3%)であり,2 回発症例 5 例(3.6%),3 回発症例 1 例(0.7%)であった.初発から 2 回目発症までの期間は平均 2 年 0 カ月で 5 例中 4 例が 2 年以内の再発であった.再発例と初発例の間で30病日以降の冠動脈瘤合併率に有意差はなかったが,再発例は初発例の約 4 倍の合併率であった(33% vs 8%).冠動脈病変は初発時に 3 例で認められ,再発時にも同じ症例で同様の重症度の拡大性病変が発現した.5 例中 2 例において再発時の臨床経過が初発時よりも重症で,うち 1 例は心筋炎,心不全が合併し,初発後完全退縮した冠動脈瘤の再発も認められた.川崎病再発時には臨床経過の重症化,冠動脈瘤の再発を来すことがあり,注意が必要である.

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