P-II-G-7
当院における胎児心臓検査の現状
国立病院機構香川小児病院循環器科1),国立病院機構香川小児病院心臓血管外科2)
寺田一也1),太田 明1),江川善康2),川人智久2),富永崇司2)

【緒言】胎児診断技術の進歩および,スクリーニング法の普及により胎内における胎児心臓の状態の把握が盛んに行われている.当院小児病院においても,産婦人科外来の併設および胎児診断に熱心な医師の着任により胎児診断が積極的に行われ始めた.2003年10月に産婦人科外来に胎児心臓外来を併設し活動している.現状を報告する.【方法】2003年10月~2005年 1 月に216症例に合計328回胎児心臓検査を施行した.施行回数は 1~9 回.【結果】施行時の在胎週数は14週から41週であった.紹介理由は,胎児の心外奇形,前児の異常(心奇形,心外奇形),母体糖尿病,妊娠早期の催奇形因子の暴露,妊娠11~14週のnuchal translucencyの異常,産婦人科医の心臓異常の指摘,母体の異常,妊娠の異常,胎児の不整脈などである.有所見は68症例であった.内訳は,先天性心疾患26症例,動脈管瘤(走行異常を含む)25症例,血行動態異常(先天性心疾患を含まない)5 症例,心臓および大血管における大きさのアンバランス(先天性心疾患を含まない)5 症例,不整脈 3 症例,fetal intracardiac echogenic foci 2 症例であった.【結語】胎児診断技術などの進歩に伴い,より早期に胎児異常の把握が可能になっている.今後,ただ診断するだけでなくprenatal treatment,perinatal managementへの活用が重要であると思われる.

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