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C-III-9 |
カッティングバルーンの安全性に関する基礎的検討 |
大垣市民病院小児循環器新生児科
倉石建治,岩村聖子,竹本康二,山本ひかる,西原栄起,大城 誠,田内宣生 |
【背景】小児領域でもカッティングバルーン(CB)の使用が増えてきたが,金属製の刃があるため,破裂時の回収困難等が懸念される.【目的】CBの安全性につき検討すること.【方法】CBは8.0mm × 1.0cm × 90cm(Boston Scientific Inc.)を使用し,0.018インチのガイドワイヤーを挿入して,生理食塩水で 2 倍に希釈した造影剤(イオパミロン370)で,ガイダント社製20/30インデフレータを用いて10気圧まで加圧して拡張した.以下 4 項目につき検討した.(1)耐久性:CBをテルモ社製 7Fロングシースに挿入し,拡張,収縮の後,回収する手技を反復し,破裂の有無を調べた.(2)破裂したCBが回収可能か否か:破裂したCBを 7Fロングシースに挿入.拡張,収縮の後回収した.(3)破裂時,刃がバルーン内に収まるか否か:破裂したCBをテルモ社製 8Fロングシースに挿入.拡張,収縮し,刃がバルーン内に収まり回収されることを確認した.(4)屈曲したCBが回収可能か否か:破裂したCBをテルモ社製 7Fロングシースに挿入,拡張,収縮の後,金属部で約45度屈曲させてから回収した.【結果】(1)CBは19回目の拡張時に破裂した.(2)破裂したCBは,20回の手技すべてで回収可能だった.(3)50回の手技すべてで刃がバルーン内に収まり,(2)も含めると合計70回刃は突出せずに回収できた.ただし,(1)で破裂した際,刃が立った状態で収縮した.そのまま引き抜くとシースが引き裂かれたが,シースの根本で修復され,回収できた.(4)屈曲したCBは 7Fロングシースから回収可能だった.【考察】(1)耐久性は乏しく,繰り返しの挿入はできるだけ避けたい.(2,4)破裂,屈曲しても回収可能だったが,収縮不能,極度の変形を伴う場合,回収不能のおそれは残る.(3)縮小時刃が突出する可能性は低いが,起こりうる.この際再拡張で刃はバルーン内に収まったが,突出時の回収の準備は必要である.CBは耐久性が乏しいが,安全に回収可能だった.ただし収縮時の刃の収納に注意が必要である. |
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