E-III-27
心室中隔欠損(VSD)術後に左室流出路起源の非持続性心室頻拍(NSVT)を来した 1 例
国立循環器病センター小児科1),国立循環器病センター心臓血管外科2)
吉村真一郎1),宮崎 文1),黒嵜健一1),塚野真也1),山田 修1),越後茂之1),恒川智宏2),萩野生男2),鍵崎康治2),八木原俊克2)

15歳女児.VSD,RCCHに対し,経肺動脈的にVSD patch closureを施行.術後経過問題なく,退院.術後20日目に動悸を自覚し,心電図上NSVTを認めた.症状は動悸のみでメキシレチン投与,メトプロロール投与に反応せず,安静時に好発.最高45連発,182bpmのVT出現したため,リドカイン持続投与,マグネシウム投与を開始し,徐々にNSVTの持続,頻度ともに軽快.PVC単発に改善したところでメキシレチン投与のみとし,運動負荷にてもNSVT再発なく退院.しかし,退院 1 カ月後のHolter ECG上,PVC頻度の増加,4 連のNSVT認め,EPS施行.VT誘発なく,PVCのみのため,pace map施行し,右冠尖直下の左室流出路起源のPVCと診断.しかし,同部位でHis電位を認め,ablationを断念.アプリンジン追加投与し,NSVTなく,PVC頻度も減少したのを確認し,退院.以降,外来Holter ECGではPVCはほとんどなく経過している.術前に動悸の既往もなく,心電図上もPVCは一度も記録されたことがないため,VSD閉鎖術の治癒機転での局所炎症による刺激がVT誘発につながったのではないかと思われた.

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