I-B-14 |
Atrioventricular groove patch plastyの中期遠隔成績 |
東京女子医科大学心臓血管外科
豊田泰幸,新岡俊治,石山雅邦,坂本貴彦,山本 昇,松村剛毅,石橋信之,村田 明,米沢数馬,保々恭子,黒澤博身 |
【はじめに】われわれは解剖学的特徴を生かしてSDL型conotruncal anomalyに対してatrioventricular groove patch plasty(AVGPP)を考案し以前にその有用性を報告し,その後さらに多彩な疾患に応用してきた.本術式は右室肺動脈間導管を用いず良好な血行動態を得ることが可能であるが,遠隔期の右室機能不全と右冠動脈への影響が懸念される.今回,その中期遠隔成績を検討報告する.【対象】対象は当院にてAVGPPによる右室流出路形成を施行した 6 例で手術時年齢:13.2 ± 9.2歳,体重:37.4 ± 25.7kg.SDL型DORV:2 例,ACMGA:1 例,s/p Jatene,RVOTO,PS:2 例,CTGA,s/p conventional Rastelli,conduit stenosis:1 例.前者 3 例は初回根治手術に,後者 3 例は根治手術後の右室流出路狭窄に対してAVGPPを応用した.【結果】手術死亡,遠隔死亡ともになし.平均追跡期間は 2 年11カ月(7 カ月~4 年).胸部X線にて心胸郭比50.8 ± 5.0%で全例NYHA I 度.心調律はadvanced AV blockの 1 例にVVI pacemaker implantationを試行したが現在99%自己脈で,他の 5 例はregular sinus rhythmである.現在年長例 2 例にアミオダロン(CTGA,30歳),メキシレチン(s/p Jatene,Konno手術同時施行例,19歳)の内服を認めるが他には抗不整脈薬を使用していない.心臓カテーテル検査にてCVP:8.7 ± 3.5mmHg,C.I.:3.1 ± 0.6l/min/m2,右室主肺動脈間圧較差7.3 ± 6.4mmHgと良好であった.【結語】SDL型conotruncal anomaly以外のさまざまなtypeの疾患の右室流出路再建にAVGPPが応用可能であった.右室流出路狭窄は十分に解除され,中期遠隔期においても良好な血行動態が保たれていた. |
| 閉じる |