I-B-51 |
40歳以上の二次孔型心房中隔欠損症に対する心内修復術症例の中期・長期遠隔成績 |
自治医科大学心臓血管外科
立石篤史,河田政明,田口昌延,相澤 啓,高橋英樹,上西祐一郎,大木伸一,齋藤 力,小西宏明,三澤吉雄 |
【目的】40歳以上の二次孔型心房中隔欠損症に対する心内修復術症例の中・長期遠隔成績を検討した.【対象と方法】1995年 1 月~2004年12月に自治医科大学付属病院にて修復術を施行した41例(男/女:12/29)を対象とし,その中期および長期成績について後方視的に検討した.症例は41~73歳(平均値52.3歳,60歳以上 6 例)で,部分肺静脈還流異常合併例はなかった.心房細動は 6 例に合併していた.心臓カテーテル検査における術前の肺動脈収縮期圧は22~75mmHg(平均33mmHg,50mmHg以上 2 例)であった.肺体血流比は1.6~5.0(平均値2.9)であった.3°以上の三尖弁逆流は20例に認めた.【結果】病院死はなく,7 カ月~10年 8 カ月(平均値:5 年 8 カ月)の術後観察期間中,脳梗塞による遠隔死を心房細動残存例 1 例に認めた.心房細動合併 6 例中,3 例に右房maze手術を施行した.術後遠隔期に心房細動の残存した症例は右房maze施行例中 2 例,未施行例中 2 例であった.術後心房粗動の発生した 1 例はカテーテルアブレーションにて正常洞調律となった.3°以上の三尖弁逆流は20例に認め,そのうち13例に三尖弁輪形成術(Kay法 3 例,DeVega法 8 例,人工弁輪縫着 2 例)を施行した.13例中術後 3°以上の三尖弁逆流が残存したものは 1 例であった.術後三尖弁逆流の進行した例や新規に上室性不整脈の顕在化した例もみられた.NYHA機能分類は術前 1:21例,2:18例,3:1 例,4:1 例から術後は 1:33例,2:8 例で 3 および 4 の症例はなく,15例で改善を認めた.【結語】40歳以上の心房中隔欠損症に対する心内修復術症例の中期・長期手術成績はおおむね良好であるが,残存心房細動,新規に顕在化した上室性不整脈および三尖弁逆流の推移がQOLに影響していた.これらに対し積極的に外科手技を施行すべきである.deviceによる閉鎖術は外科成績に影響する可能性を有している. |
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