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I-B-62 |
成人期における大動脈縮窄症術後の左室リモデリングパターンと血圧日内変動 |
東京女子医科大学循環器小児科
森 善樹,高橋一浩,中西敏雄,中澤 誠 |
【背景】本態性高血圧では左室のadaptationにより 4 つのリモデリングパターンを呈し,そのうち死亡,心血管イベントの最も高いものはconcentric hypertrophy(CH)と報告されている.しかし高血圧が問題となる大動脈縮窄症(CoA)術後例での検討は少ない.【目的】安静時有意狭窄のないCoA術後成人患者での左室リモデリングパターンを検討し,血圧日内変動との関係を調べること.【方法】CoA術後患者のうち24時間自動血圧計(ABPM)と心エコー施行した成人22例を対象にした.Ganauらの報告にしたがい左室重量(LVMI),相対的壁厚(RWT)から,CH(LVMI,RWTともに正常の95th persentile以上),concentric remodeling(CR:RWTのみ95th persentile以上),eccentric hypertrophy(EH:LVMIのみ95th persentile以上),normal(N:両者ともに95th persentile未満)に分類し,24ABPMからのパラメータと比較した.【結果】CHが36%,CR 18%,EH 23%,Nが23%とさまざまな左室形態を示し,約75%が異常パターンを示した.4 群間で年齢,覚醒時,夜間拡張期血圧には差はなかったが,CHではNに比較して 1 日平均と覚醒時収縮期血圧,1 日平均,覚醒時,夜間脈圧は有意に高く,モーニングサージ(MS)の程度も高かった.【結語】大動脈縮窄症術後の成人症例においてもさまざまな左室リモデリング形態を呈し,覚醒時の高い収縮期血圧と脈圧,程度の大きいMSが死亡のリスクとされる左室リモデリングに関与することが示唆された. |
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