I-B-63 |
成人期における先天性心疾患再手術例の検討 |
兵庫県立尼崎病院心臓センター心臓血管外科1),兵庫県立尼崎病院心臓センター小児循環器科2)
藤原慶一1),大谷成裕1),大野暢久1),森島 学1),西村 崇1),藤原靖恵1),坂崎尚徳2),若原良平2),李 進剛2) |
先天性心疾患児が成人期からさらに中年期を迎えている.遺残病変や進行病変などに対してほとんどは成人期までに再手術を行っているが,成人期以降にも再手術を必要とする症例がある.今回,当施設における成人期再手術例について検討を行った.【対象】1978年からの成人期先天性心疾患手術205件中,成人期までに心内修復術を行い,成人期に再手術(姑息手術,ペースメーカは除く)となった22例24手術を対象とした.【手術年齢】18~35歳(中央値:25歳),前回手術から今回の手術までに期間は 5~24年(中央値:17年)であった.【術式】RV-PA conduit交換:7(同時手術;TVR:1,maze:1,再々conduit交換:2),右室流出路拡大術:5,TCPC conversion:4 例,AVR(IEを含む):2,MVR,Bentall手術,PAPVR修復,BDG,SCF後胸部大動脈瘤各 1 であった.この期間の右室流出路狭窄に対する再手術適応はPRV/LV > 0.7とし,時期は就職前とした.conduit交換はPTFE nonvalved conduitないしは0.1mm PTFE sheet 3 弁付きPTFE conduitで,RVOT狭窄に対しては 1 弁付きRVOTパッチ拡大術を行った.Fontan例はRA-PA吻合 3 例,Björk法 1 例で上室性不整脈の出現,心不全をTCPC conversionの適応とした.non-TCPC Fontan手術後14~21年で,同時手術は右房maze(3),TVR(1)であった.【結果】手術死亡 2 例(conduit交換,TCPC conversion)でLOSであった.遠隔死亡 1 例(突然死)で,conduit交換術(20歳)後AAEに対しBentall手術(32歳)を行ったTF + PA症例で,3 年後突然死(不整脈?)した.生存20例はNYHA 1~2 で良好である.【結語】成人期以降の再手術は右室流出路狭窄関連,TCPC conversionが中心で,手術時期は右室流出路狭窄に関しては社会的な手術時期の選択できれば就職前,TCPC conversionに関しては心不全の進行する前かつ上室性不整脈(Af,AF)が固定する前が望ましいと思われる. |
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