I-B-64 |
複雑心奇形に対する術後成人期における再手術の検討 |
社会保険中京病院心臓血管外科1),社会保険中京病院小児循環器科2)
櫻井寛久1),櫻井 一1),阿部知伸1),加藤紀之1),澤木完成1),杉浦純也1),松島正氣2),大橋直樹2),西川 浩2),久保田勤也2) |
【目的】近年成人期先天性心疾患術後患者の再手術を経験するようになってきている.今回心内修復術後,成人期における再手術例につき検討を行った.【方法】1994年 4 月~2005年12月に先天性心疾患根治術後15歳以上で再手術を行った症例は21例,のべ23回の再手術を行った.これらを対象とし検討した.【結果】2000年までの手術件数は 6 例,2000年以降の 6 年間の手術件数は17例で増加傾向にあった.疾患の内訳はPA with VSD 6 例,TOF 3 例,単心室症 2 例,VSD 2 例,肺動脈欠損を伴ったTOF 1 例,DORV + PS 1 例,corrected TGA 1 例,先天性AS 1 例,TA 1 例,CoA 1 例,VSD 1 例,TGA 1 例であった.前回の根治手術はRastelli手術 9 例,TOF根治術 2 例,大動脈弁交連切開術 1 例,Konno手術 1 例,APC型Fontan手術 2 例,TCPC手術 1 例,下行大動脈人工血管置換術 1 例,VSD閉鎖 2 例,Brock手術 1 例であった.主術式としてRVOTOに対する解除術13例,AVR 2 例,TCPC conversion 2 例,VSD閉鎖 2 例,TAP 1 例,TVR 1 例,Konno手術後パッチ断裂に対する修復術 1 例,仮性瘤形成に対する下行大動脈再人工血管置換術 1 例であった.このうち 2 例に対し不整脈手術(右房MAZE 1 例,PV isolation 1 例)も同時に行った.前回手術時年齢9.7 ± 5.2歳,再手術時年齢22.4 ± 8.3歳で,再手術までの期間は14.1 ± 7.2年であった.ほとんどの症例は術翌日までに呼吸器の離脱ができ,手術死亡,遠隔死亡なく手術成績は良好であった.【結論】成人期における再手術は今後も増加するものと思われる.さまざまな術式にもかかわらず手術成績は良好であり,先天性心疾患術後患者においても積極的な手術介入が好ましいと考えられた. |
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