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I-B-66 |
成人先天性心疾患の心内修復後再手術―病変と再手術適応の検討― |
千葉県循環器病センター心臓血管外科1),千葉県循環器病センター小児科2)
松尾浩三1),浅野宗一1),村山博和1),東 浩二2),川副泰隆2),立野 滋2),丹羽公一郎2),龍野勝彦1) |
【目的】手術成績の向上と術後管理に対する経験の蓄積により成人期に達する先天性心疾患の患者数は増加している.しかし遠隔期に二次的変化や遺残病変のため再手術を要することも少なくない.最近 6 年間の心内修復後10年以上経過した15歳以上再手術23例について検討し長期治療計画へのfeed backを企図した.【症例】再手術対象疾患はファロー四徴症(TOF)12例,完全大血管転位症(TGA)III型 2 例,心内膜床欠損症(AVSD)2 例,Fontan型手術 2 例,Konno術後 1 例,その他 4 例であった.再手術時年齢は15~50歳,再手術までの期間は11~38年であった.再手術の病変および術式は以下のようであった.〈TOF症例〉肺動脈弁逆流および狭窄(PR,PS)10例,末梢PS 5 例,右室流出路狭窄 3 例,心房細粗動(Af,AF)3 例,心室性頻拍 3 例,遺残短絡 2 例,三尖弁閉鎖不全 1 例,大動脈弁閉鎖不全 1 例などであった.右室流出路狭窄またはPS,PRに対しては弁付き流出路パッチ 4 例,3 弁心外導管 2 例,生体弁置換 3 例に施行.Maze手術を 2 例に行った.〈TGA III型症例〉心外導管狭窄,左室流出路狭窄および遺残短絡のため心外導管および心室内導管を交換した.〈AVSD症例〉cleft部の短縮や肥厚のため高度僧帽弁逆流を生じていた.Afを合併しており僧帽弁置換およびMaze施行.〈Fontan術後症例〉中等度以上の房室弁逆流とAf,AFを認め,右房-肺動脈吻合から心外導管TCPCへの変換と房室弁置換および肺静脈isolationを施行.【結果】手術死亡はなく 6 カ月~6 年の経過観察期間にNYHA I~II 度の生活を送っている.TOF例でAf 2 例の再発をみたが他症例では洞調律を維持している.TCPC conversonの 1 例を術後 1 年に肝細胞癌で失った.【考察】右室流出路狭窄および逆流は最も多い再手術理由であった.また房室弁逆流や遺残短絡,PRを有する症例においてAf,AFの合併も多く認められるがMaze手術やPV isolationは有効であり早期再手術と確実なPR防止が重要と考えられた. |
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