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I-C-67 |
2 心室修復に広範な心室中隔欠損(VSD)拡大を要する症例の検討―2 心室修復(BVR)か 1 心室修復(UVR)か?― |
千葉県こども病院心臓血管外科1),千葉県こども病院循環器科2)
青木 満1),渡辺 学1),上松耕太1),藤原 直1),犬塚 亮2),菅本健司2),建部俊介2),中島弘道2) |
DORVで心内rerouting(IVR)によるBVR後に左室流出路(LVOT)となるVSDが狭小/non-committed(NC)である症例では,BVRを行うにはVSD拡大が必要でそれに伴う心機能低下,不整脈,TR等が危惧される.一方,ASD拡大 ± DKSでVSD血流減少を図りUVR とすると,高CVP,AR,PR,TR,VSD縮小等が危惧される.この点を検討.【対象】当院で 2 房室弁 + バランス 2 心室を有しBVRに広範なVSD拡大が必要と判断した 7 例(DORV 6,TGAPS 1).〈BVR群〉BVRをめざし,広範なVSD拡大を行った 5 例.〈UVR群〉VSD放置,TCPCを行った 2 例.BVR群中 1 例は初回にDKS + BTが行われていた.【結果】〈BVR群〉4 例中 3 例はVSD狭小〔正常大動脈弁口面積(NAV)の20~56(平均37)%大〕のため流出路前方に拡大し,前方血管〔2 例は大動脈(AO),1 例は肺動脈(PA)〕へIVR ± Jatene施行.1 例は軽度MSのためPAPVR修復 + 心房septationしPA絞扼.ほか 1 例はNC VSDで三尖弁腱索のためAOへ血流路とれず,VSDを前方PA弁下に拡大後PAへIVR + Jatene施行.初回DKS施行例はPRありDKSをtake-down,AO弁を左室流出路,PA弁を右室流出路とした.全例生存.VSDが術前後で20→50%NAVだった 1 例で圧較差35mmHg残存.AV block 1,MR I°2,TR I°3,II°1.心内導管部akinesisあるも,全体の心機能は良好(平均:LVFAC 41%,CI 4.2,CVP 5mmHg).平均1.4年のfollowで全例NYHA I.MS例はBVR ± MVR待機中.〈UVR群〉2 例はNCかつ狭小VSD(40,60%NAV)で,ASD拡大 + TCPCを行い,DKSせず.全例生存.術前VSDが40%NAVの 1 例に術後 5mmHgの圧較差あり.CVP 12,11mmHg,FAC 33,36%,CI 2.8,3.0.4 年,14年のfollowでNYHA I.【結論】短期成績は同等.BVRはCVP,CIが良好な反面,LVOT狭窄,不整脈,房室弁逆流のリスクが,UVRでは高CVPによる遠隔期の懸念がある.心機能,房室弁機能,伝導系に影響する流入部中隔へのVSD拡大は避け,流出路前方へ拡大後,前方血管へIVRし前方血管がPAの場合はJateneを併用.流出路のみで十分な拡大が不可能な症例はUVRを考慮.UVRではVSDが正常AO弁口面積の60%以上あれば拡大/DKSは不要. |
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