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I-D-9 |
肺換気血流シンチグラフィによる先天性横隔膜ヘルニア手術後症例の検討 |
群馬県立小児医療センター循環器科1),群馬大学大学院医学系研究科小児生体防御学2),館林厚生病院小児科3),しのはら小児科4)
鈴木尊裕1),井上佳也2),岡田恭典3),篠原 真4),小林 徹2),下山伸哉1),小林富男1) |
【はじめに】先天性横隔膜ヘルニア(CDH)手術後の肺機能を検討した報告は少ない.われわれは,CDH手術後症例を対象に,肺換気血流シンチグラフィを施行し,若干の知見を得たので報告する.【対象および方法】1999年~2005年 6 月に入院したCDH 18症例のうち,死亡した 5 例と検査の承諾が得られなかった 1 例を除いた計12例を対象として,計21回シンチグラフィを施行した.左CDHは10例,右CDHは 2 例,初回検査時期は 1~24カ月(中央 5 カ月)であった.各症例は,99mTc-MAA(血流)を静注後,81mKr(換気)を吸入し,2 核種を同時に計測した.各カウントは,正常肺の左右カウント(換気47:44,血流53:56)により補正した後,評価した.同時期に,超音波検査により分岐直後の左右肺動脈径を測定し,99mTc-MAAカウントとの相関を検討した.【結果】(1)12例の初回検査時の患側/健側換気量比は106 ± 27%,血流比は84 ± 23%で,患側肺では換気に比べ血流は正常化しない傾向を認めた.(2)複数回検査を施行した症例は 5 例であった.患側肺の血流を経時的にみると,1 歳頃までに正常化しなかった 3 症例に,以後の改善は認められなかった.患側肺の換気についてはさまざまな経過を示したが,5 例中 2 例は,1 歳以後,患側/健側換気量比が120%を超えた.(3)患側/健側血流比と,超音波検査による患側/健側末梢肺動脈径比に相関は認められなかった(R = 0.14).【結語】(1)CDH手術後の患側肺は,血流低下や換気量の異常を認める.(2)超音波検査による左右肺動脈径測定から,肺血流シンチグラフィの結果を予想することは困難であると考えられた. |
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