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I-F-66 |
新生児室におけるパルスオキシメーターの有用性について |
和歌山県立医科大学小児科
渋田昌一,奥谷貴弘,武内 崇,南 孝臣,鈴木啓之,吉川徳茂 |
チアノーゼ性心疾患における手術成績の向上のためには,早期に診断し,できるだけ安定した状態で手術に臨むことが重要である.われわれはチアノーゼ性心疾患の早期診断のために,新生児室においてパルスオキシメーターを使用し,その有用性について検討した.【対象】2002年12月 1 日~2005年 3 月31日に紀南病院とA産婦人科で出生した,1,315名のうち 0 日でNICUに入院となった133名を除く1,182名.【方法】日齢 1,3,5 日目に新生児室でパルスオキシメーター(マイクロ 2 パルスオキシメーター.福田電子社)を用いて,上下肢で酸素飽和度を測定し記録.酸素飽和度が94%以上に上昇しない場合にはドクターコールとした.【結果】酸素飽和度(下肢)の平均は日齢1では97.2 ± 1.6,日齢 3 では97.3 ± 1.4,日齢 5 では97.1 ± 1.5であった.上下肢差はほとんどなかった.また期間中に診断されたチアノーゼ性心疾患は 4 名(総動脈幹症 1 名,総肺静脈還流異常 2 名,大動脈弓離断 1 名)であった.1 名は胎児エコーで診断されていた.3 名はパルスオキシメーターの酸素飽和度の低値をきっかけに診断され,診断当日または翌日に和歌山医科大学病院にヘリコプターで搬送され,それぞれ搬送当日(2 例),日齢 6 に手術された.【結論】パルスオキシメーターは安価,簡単,非侵襲的で正常範囲が狭いことからも,スクリーニングに適しており,また胎児エコーで気付かれにくい総肺静脈還流異常,大動脈弓離断などもスクリーニング可能であり有用と考えられた.文献的考察を加えて報告する. |
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