I-P-11
滋賀県の学校心臓検診の 2(3)次精密検査医療機関における学校生活管理指導表のチェック第 2 報―郵便による管理の問い合わせの効果―
滋賀県心臓検診検討会
高橋良明,奥野昌彦,近藤雅典,田宮 寛,中川雅生,西岡研哉,服部政憲,早野尚志

【目的】滋賀県心臓検診の改善に向けて2000年度より提出された小学校 1 年,中学校 1 年,高校 1 年の学校生活管理指導表(以後管理表)を点検し,正しい指導がなされているかを検討してきた.その結果,頻拍発作のないWPW症候群に運動を制限するような再考が必要な管理表が全管理表の15~17%あることを報告した(日小循誌 2005;21:102-107).今回,再考が必要な管理表を提出した精密検査医療機関に対しその管理の根拠を郵便で問い合わせた.その結果を報告する.【方法】2003年度,再考が必要な管理表は231例あった.そのうちはっきり異常と考えられる146例に対しその管理の根拠を郵便で問い合わせた.【成績】120例に解答があった.94例に了解の回答があった.抗議の回答は 3 例であった.翌2004年度行われた学校心臓検診で再考が必要な管理表は前年の231例から134例に激減した.特に不完全右脚ブロックで管理されていた例は29例から18例に減少し,心房期外収縮で管理されていた例は46例から22例に減少した.特に明らかに必要でない運動制限を生徒に対して行っていた例は2003年度10例あったものが2004年度 1 例に激減した.【結論】2003年度に改訂した滋賀県心電図判定基準や日本小児循環器学会の管理基準をもとに,管理表の点検および再考が必要な管理表を提出した精密検査医療機関に対する問い合わせを続け,滋賀県の心臓検診の精度を向上させたいと考えている.

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