I-P-35
当科におけるFontan型手術の中期予後
北里大学医学部小児科
中畑弥生,大和田夏子,木村純人,石井正浩

1985~2004年の20年間に当院にて管理を行ったFontan術後患者のうち現在まで生存している患児32名について検討した.年齢は1.5~20.4歳(平均8.0歳),術後フォローアップ期間は 5 カ月~15年(平均4.9年),術式はTCPC(total cavopulmonary connection)27例,APC(atriopulmonary connection)4 例,lateral tunnel 1 例であった.経皮的酸素飽和度は68~98%(平均94%).抗凝固を行っているものは24例でワーファリン投与 9 例,aspirinまたはticlopidine HCL単独投与15例,抗凝固なしは 9 例であった.利尿剤または血管拡張剤の内服をしているものは 7 例あった.中等度以上の房室弁逆流を有する症例は 8 例あった.高度の肺動静脈瘻を合併した 1 例とPLEを発症した 1 例を除いて運動管理は30例がE管理としており,小学校での体育はほぼ制限なく行えていた.すべての症例で経胸壁心エコーで,心内に血栓を生じた例はなかった.当科におけるFontan型手術はTCPCが中心であり,その中期予後は良好であった.抗凝固療法については主治医により異なるが,血栓を生じたものはTCPC症例を含めていなかった.今後更なる遠隔期の検討が必要と考えられた.

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