I-P-42
右心室が体循環を担うフォンタン手術前後における心室機能
あいち小児保健医療総合センター循環器科1),あいち小児保健医療総合センター心臓外科2)
足達信子1),沼口 敦1),福見大地1),鵜飼知彦2),佐々木滋2),岩瀬仁一2),安田東始哲1),前田正信2),長嶋正實1)

【背景】体循環を司る右心室(SRV)の評価は,修正大血管転移症,Fontan型手術において重要である.Fontan型手術では心機能障害のないことが適応基準に含まれているが,右室機能評価の非侵襲的なgold standardは確立されていない.【目的】症状をNew York University Pediatric Heart Failure Index(NYU PHFI)でスコア化してその時点で行われたエコー検査記録をもとに,右室機能評価方法を比較検討し,有用な指標を検出すること.【対象】年齢 0~28歳,男 9 人,女 9 人のsystemic RVを有するFontan型候補者,18例について検討した.左心低形成症候群 7 例(TCPC後 2),修正大血管転移症(TCPC後 2),両大血管右室起始症 4 例(TCPC後 4),右心性単心室 5 例(TCPC後 1)である.術前評価例の動脈血酸素飽和度は,65~90%(平均89.7%)であった.【方法】症状をNew York University Pediatric Heart Failure Index(NYU PHFI)でスコア化し,その時点で行われた心エコー検査記録をもとに,EF(Simpson法),右室Tei indexを算出し,血中BNPを測定した.NYU PHFIをもとに,各指標との関係を検討した.【結果】TCPC前では,Tei indexが最も相関関係が認められた.TCPC後ではEFが最も相関関係が認められ,Tei indexは相関関係が認められなかった.BNPは術前,術後とも全く相関関係を認めなかった.

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