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II-B-2 |
Konno手術後再手術症例の検討 |
東京女子医科大学心臓血管外科
村田 明,黒澤博身,新岡俊治,石山雅邦,坂本貴彦,山本 昇,松村剛毅,石橋信之,米沢数馬,保々恭子,豊田泰幸 |
【目的】近年小児における外科的左室流出路狭窄解除法としてRoss手術が中心となっているが,現在もKonno手術は一定の役割を担っている.一方,Konno手術後の再手術症例の報告は少ない.今回当科において経験されたKonno手術後の再手術症例について報告する.【対象】1974年 9 月~2005年 6 月に施行されたKonno手術70例のうち大動脈弁または弁下病変に対して,再手術を施行した 5 例(7.1%).【結果】初回手術から再手術までの期間は 7 カ月~14年(平均7.3年).再手術の原因としては,人工弁機能不全が 4 例,活動期感染性心内膜炎が 1 例であった.人工弁機能不全の原因としてhinge上の器質化血栓が 2 例,人工弁下左室流出路で増殖した線維性組織による弁葉の固定が 1 例であった.人工弁は初回手術時SJM 21~25,再手術時ATS 23~SJM 25であり,再手術時に初回手術よりも口径の小さい人工弁が入った症例はなかった.左室流出路パッチおよび右室流出路パッチの処理については,パッチ切開→弁置換→縫合が 2 例,パッチの全摘,完全再建が 3 例であった.手術時間については平均で総手術時間490分,体外循環時間215分,大動脈遮断時間123分であった.術後急性期死亡はなかった.1 例が再手術後 6 カ月に交通事故後,頭蓋内出血にて死亡,1 例が残存する肺高血圧症のため,再手術の 4 年後に心不全にて死亡した.【結語】Konno手術後の再手術の原因としては人工弁や人工血管パッチに関連する血栓弁や線維性組織増殖,感染性心内膜炎が挙げられ,筋性左室流出路再狭窄が原因ではなかった.以上の結果はKonno手術後の再手術に関する要点を示すとともに,自己組織によるRoss手術の利点を改めて臨床的に示唆するものと考えられた. |
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