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II-B-61 |
MAPCAsを伴う乳児期PA/VSDに対する外科治療の問題点 |
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部器官病態修復医学講座循環機能制御外科学1),徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部発生発達医学講座小児医学2)
来島敦史1),北市 隆1),加納正志1),黒部裕嗣1),吉田 誉1),浦田将久1),増田 裕1),鈴木光二郎2),早淵康信2),森 一博2),北川哲也1) |
【目的】1998以降チアノーゼの早期解除がもたらす重要 2 次臓器の健常発達を目的に,MAPCAsのないPA/VSDに対し,動脈管依存肺循環と左右branch PA径が3.5mm以上でsymmetricで良好な肺血管床を有する時はprimary repairが可能で,良好な予後が期待できることを示してきた.一方MAPCAs合併例は早期に上下・左右の肺動脈のconfluenceを再建する側開胸unifocalization(LUF)を先行するstaged-repair(SR)を行ってきた.その中間成績を示す.【対象】1998以降のPA/VSD 18例のうち,MAPCAs合併 6 例を対象とした.生後 1~7 カ月で,いずれもLUF先行後のcomplete repair(CR)を計画した.【結果】利用可能なcentral PAの存在/branch PAのconfluenceの存在(centl/confl)については,+/+2 例,+/-1 例,-/+0 例,-/-3 例で,5 例に 1~5 回のLUFを施行した.-/-3 例は,すでに 1~2mm径のMAPCAsに対するLUFを施行した 2 例で再建部の末梢肺動脈が閉塞し,そのため 1 例を失った.LUF未施行 1 例は,末梢肺動脈成長を待つべく,6 カ月齢現在LUF待機中である.LUF後の生存 4 例中,3 例にCRを施行し,1 例がCR待機中である.CRは,LUFに難渋した 1 例が22カ月時に左肺のhemi-lungの状態で,他の 2 例は良好な肺血管床を得て,3,7 カ月時にCRを施行した.右室肺動脈導管は 2 例が後壁 1/2 を有茎自己心膜,前壁 1/2 を 1 弁付き異種心膜パッチで,1 例はVPRで作成した.MAPCA組織をcentral PA再建に利用した前者の 1 例は,その部の狭窄を来し,狭窄解除と肺動脈弁付き導管手術を予定している.CR後SpO2は98%と良好だが,medication freeは 1 例のみ.【考案】上下・左右肺動脈UF時,おのおののMAPCAsが灌流する肺区域の肺血管抵抗軽減と均一化が重要で,治療時に利用可能なcentral PAの有無/branch PAのconfluenceの有無を評価し,できれば早期UFが望まれるが,UFを待機することも含めて,多数例の治療成績の蓄積が良い治療法の開発には必要である. |
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