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II-B-62 |
主要体肺側副動脈(MAPCA)を有する心疾患に対する外科治療成績の検討 |
福岡市立こども病院心臓血管外科
檜山和弘,角 秀秋,深江宏治,中野俊秀,園田拓道,朴 範子,橘 剛 |
【目的】MAPCAを有する心疾患に対する外科治療成績に検討を加え報告する.【対象】2005年12月までに,外科治療を施行したMAPCA症例67例を対象とした.両心室群が60例(PA-VSD:54,その他:6),単心室群が 7 例であった.初回姑息手術としては,SPシャント(SPS)のみ:24例,unifocalizatio(UF)+ SPS:18例,MAPCA結紮 + SPS:10例,右室流出路再建:2 例,肺動脈形成 + SPS:1 例,UFのみ:1 例,MAPCA絞扼:1 例であった.UFは41例に53回(直接吻合あるいは自己組織による再建:39,人工物による再建:14)施行された.両心室群での心内修復術(ICR)は,一期的ICR:7 例(ICR + UF,平均年齢39カ月),段階的ICR:38例(ICR + UF:9,ICR - UF:29,平均年齢77カ月),ICR待期:9 例,ICR適応外:6 例であった.単心室群のフォンタン到達は 3 例であった.最近10年間では正中切開からの直接吻合によるUF,一期的根治術を積極的に導入した.【結果】病院死亡は両心室群の 2 例,遠隔期死亡は 6 例(両心室群:3,単心室群:3),術後平均追跡期間は 8 年であった.一期的ICR 7 例の術前total neopulmonary arterial index(TNPAI)は123~491mm2/m2(中央値:286),術後RV/LVは0.41~0.56(中央値:0.44)であった.段階的ICR 38例の初回姑息術時TNPAIは35~500mm2/m2(中央値:119),術後RV/LVは0.41~1.35(中央値:0.66)であった.両心室群の累積非根治術到達率は初回手術後 3 年で36%,5 年で18%であった.初回手術後10年生存率は両心室群88.7%,単心室群53.6%であった.【結語】段階的外科治療戦略による肺動脈再構築,正中切開からの直接吻合によるUFにより,根治術への到達率,生存率改善が期待される. |
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