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II-B-66 |
MAPCAを合併した先天性心疾患に対するハイブリッド治療戦略 |
千葉県こども病院心臓血管外科1),千葉県こども病院循環器科2)
青木 満1),渡辺 学1),上松耕太1),藤原 直1),犬塚 亮2),菅野太郎2),建部俊介2),中島弘道2) |
当院で1994年以降手術/カテーテル治療介入した,MAPCAを合併した先天性心疾患16例の初期治療方法とその予後を検討.【症例】〈2 心室修復可能群〉12例(T/F + PA 10例,T/F(PS)1 例,T/F + absent pulmonary valve 1 例),〈単心室群〉 4 例(asplenia 2 例,うちTAPVR合併 1 例を含む).初回治療介入時,0.06~2.43(平均1.13)歳,1~6(3.4)本のMAPCAがあり,中心肺動脈(CPA)は 2 例で欠損,PA indexは,25~496(163).【治療戦略】初回治療として乳児期早期にCPAに十分な血流を確保するために,PA indexが小さい症例(25~115平均56)4 例に0.17~1.2歳で姑息的右室流出路再建術(pRVOTR)を,0.18歳の 1 例にはPA trunkにcentral shuntを,5 例(0.47~2.4歳)に側開胸によるunifocalization(UF)+ BT shunt(BT)を,2 例にBTのみを,1 例(2.0歳)に一期的UF + 心内修復を,1 例に高肺血流に対してcoil embolizationを,absent pulmonary valve症例には0.18歳時にPA valve closure + PA plicationを施行.UFはMAPCAを用いず可能な限り肺内肺動脈の直接吻合を行った.CPA欠損例ではMAPCAを利用して作成.BT はCPA中枢部に行った.【結果】1 症例あたり平均2.4回の手術介入,0.69回(のべ11回:coil 4,stent 1,BVP 1,BAP 5)のカテーテル治療介入を経て,2 心室修復可能群12例中10例で心内修復に到達(うち 1 例遠隔死),RV/LV圧比0.30~0.66(平均0.48),2 例は待機中.単心室群では,Fontan完了 1 例,両側UF + TAPVC修復後でグレン待機中 1 例.ほか 2 例はFontanおよびグレン待機中に院外で突然死.【結語】2 心室修復可能症例で心内修復到達率は高く,術後状態も比較的良好.単心室症例においてもFontan到達の可能性がある.乳児期早期にCPAに十分な血流を確保することが重要で,PA indexが小さくとも乳児期pRVOTRによりCPAを使った修復が可能となる.手術/カテーテル治療(高肺血流例ではcoil,低肺血流例ではstent)によって良好な肺内肺動脈の発育が得られれば,肺内肺動脈を用いたUFに有利. |
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