II-P-45
心カテ時のエコーガイドによる血管穿刺について
浜松医科大学小児学教室
岩島 覚,石川貴充,大関武彦

【はじめに】心カテ時における血管穿刺では動脈の誤穿刺や血腫,動静脈婁などの合併症が知られている.今回,われわれは心カテ時における血管穿刺をエコーガイド下に行ったので若干の考察を加え報告する.【方法】対象は2003年12月~2005年12月に浜松医科大学附属病院小児科に入院し診断のために心カテ施行した32例.年齢3.9 ± 3.3歳.方法は心カテ施行時における大腿静脈の血管穿刺からシース留置までをエコーガイド下で行った.先天性心疾患の術前カテ例24回,術後カテ例 8 回,川崎病例 1 回.使用プローブは12Mzリニア式プローブを用いた.穿刺部消毒後にエコープローブを清潔なビニールにて覆い清潔操作にて血管穿刺を行った.エコーガイド下に血管穿刺しシース留置まで至った例を成功例,血管穿刺後,シース留置まで至らなかった例を不成功例とした.【結果】血管穿刺施行33例中22例が成功例であった.成功例においては不成功例に比し身長,体重(成功例:不成功例,101.9 ± 29.1cm:61.0 ± 10.4cm,p < 0.0001,18.2 ± 7.4kg:5.7 ± 3.2kg,p = 0.0014)とも有意に大きかった.成功例においては,血管が三日月状に変形しパワードプラ信号が消失した.穿刺後にガイドワイヤーが先進せず再度穿刺した時には血腫と思われるローエコー区域が静脈周囲を覆い血管の狭小化を認めた.海外より紹介のあった純型肺動脈閉鎖,両方向グレン術後例において心カテ前の病歴について不明な部分が多かったが血管穿刺前にエコー行い両側大腿静脈の閉塞を確認できた.【考察】エコーガイド下に血管穿刺することは血管穿刺時の合併症の軽減,血管穿刺時の指導,教育,穿刺後の血管の形態等有用と思われた.しかし新生児期,乳児期におけるエコーガイド下血管穿刺においては成功率が低く検討が必要と思われた.

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