ASDカテーテル治療の麻酔管理


II-P-46
ASDカテーテル治療の麻酔管理
岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔・蘇生学1),岡山大学医学部・歯学部附属病院小児科2),岡山大学医学部・歯学部附属病院心臓血管外科3)
竹内 護1),岩崎達雄1),戸田雄一郎1),森田 潔1),日置里織2),岡本吉生2),大月審一2),佐野俊二3)

【目的】Amplatzer septal occluderを用いたASD(心房中隔欠損症)のカテーテル治療は本邦では2005年夏に開始され,その認可を得るために当院では 8 月12日に 6 症例を施行,認可後2005年中にさらに 5 症例を経験したので,麻酔管理を中心に報告する.【成績】症例は 5~63歳(年齢中央値11歳)の11症例で,51歳男性を除いて全員女性で,体重中央値は40kgであった.麻酔導入はフェンタニル 2~3μg/kgとチオペンタール 4mg/kgまたはプロポフォール1.5~2mg/kgにて行い,気管挿管した.挿管後,ASDの位置,サイズ決定,治療効果などのモニターとして経食道心エコー(TEE)を全症例に挿入した.維持は,おもに空気 + セボフルランを中心とした吸入麻酔薬にて行い,PaCO2は40mmHgを目標とした.ASDカテーテル治療時間は45~90分(平均67分)で,麻酔時間は85~200分(平均128分)であった.当初は 8 月12日は 3 症例のみの予定であったが,2 症例目を施行中にわれわれが 1 日 6 症例の施行を提案し,夕方 6 時頃には 6 症例すべて終了した.全症例においてカテーテル検査室で気管内チューブを抜管した.術後は原則としてICUにて管理を行い,2 時間前後の経過観察で病棟に帰棟した.【結論】Amplatzer septal occluderを用いたASDカテーテル治療の麻酔を2005年に11症例経験した.フェンタニルと吸入麻酔薬を中心とした麻酔で無事管理し得た.TEEは治療に必須のモニターであった.

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