II-P-62
15歳で発見されたBland-White-Garland(BWG)症候群の 1 例
京都府立医科大学大学院医学研究科発達循環病態学
濱岡亜希子,山元康敏,米田 哲,則武加奈恵,藤井麻衣子,河井容子,吹田ちほ,小澤誠一郎,白石 公,糸井利幸,浜岡建城

【症例】15歳,男児.【既往歴・家族歴】学校検診等で異常を指摘されたことはない.中学では軟式テニス部の中心選手.兄に川崎病の既往あり.冠動脈病変はなし.【現病歴】14歳時,体育の授業中に突然失神・痙攣.すぐに回復し近医小児科受診.心電図,脳波,頭部MRI上異常は指摘されなかった.その後,しばらく経過観察した後にクラブ活動を再開したが同様のエピソードは認めなかった.翌年,トレッドミル負荷心電図および心エコー検査を施行.トレッドミル負荷心電図では一過性にV3~V4 でST低下を認めた.また心エコー上,右冠動脈の著明な拡張を認め,左冠動脈は描出困難であったため当院紹介受診となった.当院での心エコー上,左室壁運動は良好(FS 43.3%)であったが右冠動脈が6.7mmと著明に拡張しており,左冠動脈起始部は確認できなかった.また,ドプラにて主肺動脈に流入する血流を確認した.3D CTでは肺動脈の左側後部へとつながる左冠動脈を認め,201Tl心筋シンチでは左室前壁に運動誘発性の虚血所見を認めた.以上から,Bland-White-Garlamd(BWG)症候群を疑われ,確定診断のためアンジオ検査を施行した.【結果】右冠動脈の著明な拡大を認め,側副血管を経て造影された左冠動脈は肺動脈に流入しており,BWG症候群と診断した.また,右冠動脈にて測定した冠血流予備能(coronary flow reserve:CFR)は1.4と低値であった.【まとめ】14歳まで無症状で経過したBWG症候群の 1 例を経験した.診断における 3D CTの有用性を示すとともに側副血管の分布と冠血流予備能について考察を加え報告する.

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