![]() ![]() |
III-S-3 |
心内膜欠損症における 1 心室手術選択例の形態学的検討 |
榊原記念病院小児科1),榊原記念病院心臓血管外科2)
朴 仁三1),藁谷 理1),嘉川忠博1),西山光則1),畠井芳穂1),村上保夫1),森 克彦1),高橋幸宏2),安藤 誠2),和田直樹2),佐々木孝2),村田将光2),菊池利夫2) |
【目的】1 心室手術(UV)もしくは 2 心室手術(BV)を行った心内膜床欠損(ECD)の手術予後に関わる解剖学的要因を検討.【対象・方法】2004年 1 月 1 日~2006年 1 月30日に当院で手術を行ったECD 80例.手術時年齢は 7 日~54歳,男34:女46.術中所見,画像診断から得られた両心室流入路・流出路OT,大血管の形態異常をUV群(n = 30)とBV群(n = 50)で比較検討.【結果】右側相同(ri),左側相同(li),ダウン症候群(D)のUV群:BV群はそれぞれ11:1,1:4,9:20.完全,中間,不完全型のUV群:BV群は28:26,1:7,1:17.UV群で心室大血管関係(VA)が正常な15例中 8 はShone複合類似の形態異常パターン(Sh)で,全例に大動脈弁下狭窄SAS(線維筋 7,OT挿入 1),5 例にMS(parachute 4,短腱索 1),7 例がCoA合併.1 例はliで 3 例はD,6 例に左室低形成あり.3 例は初回手術,3 例は 2 回目にDKS施行.右室低形成は 5 例で 1 例は共通房室弁右室側閉鎖,4 例はDで房室弁の狭窄性病変なし.VAが異常な16例中12はriで心外型TAPVC 4,MAPCA(M)を 1 例に合併.心内の複雑な形態と低形成心室(6 例)のため15例がUVを,M合併例はRastelli手術を目指した.4 例のMS(parachute 3,重複弁口 1),2 例のSAS(線維筋 1,OT挿入 1),単独合併例にはBV施行.前者はcleftを僧帽弁口として残し,後者では筋切除施行.UV群に計68の手術を行い,死亡はTCPC 1/7,DKS + RV-PA導管 1/5(いずれもSh),TAPVC repair 1/3.BV群には開心術48,姑息手術10を行い死亡 0.【結語】(1)Sh類似の形態異常を有する症例の多くはNorwood型手術を要し難治性.(2)riでは肺循環の問題も多くBVの可能性を探るべき.(3)左心狭窄性病変単独合併例はBVで対処可能. |
![]() |
閉じる |