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III-S-6 |
小さい左室に対する手術戦略 |
あいち小児保健医療総合センター循環器科1),あいち小児保健医療総合センター心臓外科2)
福見大地1),安田東始哲1),沼口 敦1),足達信子1),前田正信2),岩瀬仁一2),鵜飼知彦2),佐々木滋2),長嶋正實1) |
【背景】borderline LVに対する修復術は,2 心室修復と単心室修復の可能性があるが,その判断基準は難しい.【目的】2 心室修復と単心室修復の境界線はどこにあるか検討すること.【対象】当センターにおける borderline LVと考えられた 2 心室修復 1 例と単心室修復 5 例とdrop out 2 例の計 8 例〔CoA comlex hypoLV valAS 3 例,CoA complex ValAS DCM 1 例,IAA VSD hypoLV 1 例,CAVC hypoLV 2 例,l-TGA VSD PA hypoLV 1 例,HLHS(MS AS),Scimiter syndrome 1 例〕.平均左心室容量67.3%N,平均僧帽弁輪径76.3%N,平均大動脈弁輪径 92.8%N.【方法】出生後の僧帽弁輪径,大動脈弁輪径,左室容量を中心にその後の経過を体重,CTR,BNP,PA圧,CVPなどの推移を後方視的に検討した.【結果】2 心室修復症例では(1)左室容量85%以上,(2)大動脈弁輪径90%以上,(3)大動脈弁狭窄10mmHg以下,(4)房室弁逆流なし,(5)全身性の合併症がない症例であった.単心室修復症例では,上記 5 点のいずれかを満たさない症例で,drop outしている症例はscimiter症候群を合併し,肺の低形成が原因で手術適応が低い症例と,拡張型心筋症,腎不全を合併した症例であった.【考案】本検討では有意差がみられなかったが,左側房室弁狭窄は 2 心室修復から外れる可能性があり,慎重な検討が必要である.また,左室流出路狭窄は修復可能なケースもあり,2 心室修復の絶対的適応条件とならない可能性もある.【まとめ】borderline LVに対する 2 心室修復の適応は両側肺動脈バンディング,下肢への血行を確保するまで,慎重に判断されるべきと考えられる. |
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