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III-C-12 |
新開発の小児中心静脈穿刺用エコープローベの有用性 |
東京女子医科大学麻酔科学教室
森野良蔵,深町きく代,山本有紀,野村 実,高田勝美 |
【目的】心臓手術,カテーテル検査,集中治療において中心静脈カテーテルの有用性は確立されたものである.しかし小児科領域の患者においては穿刺の困難と合併症の発生率の高さが問題となる.一般的には解剖学的目印に従い穿刺を行うが,成功率の低さ,頻回穿刺率の高さは成人に比べて明らかである.近年ではエコーガイド下の中心静脈穿刺も広まってきてはいるが器材の構造上の問題も相まって穿刺成功率は依然十分とは言い難い.今回小児での穿刺成功率を向上させる目的で中心静脈穿刺専用の小型セクターエコープローベの開発を行ったのでその有効性を検討した.【対象・方法】体重15kg以下の先天性心疾患姑息術または根治術を受ける患者.同患者で複数部位での穿刺は別個の穿刺と定義した.穿刺部位は右もしくは左内頸静脈とした.situs inversusの場合は左を第 1 選択.PLSVCもしくはPRSVCかつ人工心肺下の手術の場合,両側内頸静脈穿刺を行った.全身麻酔導入,挿管後,新開発のエコープローベを使用し内頸静脈直視下のもと試験穿刺なしにセルジンガー法を用いカテーテルの挿入を行った.穿刺成功はカテーテル留置とし,成功までの穿刺回数,合併症の記録を行った.【結果】穿刺件数26件.平均年齢,体重(mean ± SD)は8.8 ± 2.7kg(最低体重2.63kg)1.85 ± 1.39歳.初回成功率85%.すべて 2 回目までに穿刺成功.成功率100%.合併症は動脈穿刺(ダイレーション施行なし)1 例であった.【結論】新たに開発したエコープローベを使用することにより穿刺成功率100%を達成することが可能であった.初回成功率も非常に高率で(85%),現在報告されている他の論文の結果と比べても格段に本プローベを使用した穿刺の有効性が高いことが明らかとなった. |
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