III-D-18
下大静脈collapsibility indexとCVPとの関係
埼玉医科大学小児心臓科1),埼玉医科大学心臓血管外科2)
岩本洋一1),先崎秀明1),熊倉理恵1),石戸博隆1),阿部智美1),松永 保1),竹田津未生1),小林俊樹1),朝野晴彦2),加藤木利行2),石井聖子1)

【はじめに】下大静脈(IVC)の径やその呼吸性の変動(collapsiability index:IVCCI)は中心静脈圧(CVP)を反映すると考えられている.今回われわれは,小児心疾患におけるIVCCIとCVPの関係について検討した.【方法】各種小児心疾患患者65例において,心臓カテーテル検査時に,径胸壁超音波の肋骨弓下アプローチにてIVCCIを計測し,実測CVPと比較検討した.計測はすべて自発呼吸下で行い,IVCCIは(IVC最大径 - IVC最小径)/IVC最大径にて算出した.計測点は,IVCの右房接合部(A点)と肝静脈合流直前(B点)の 2 点を選んだ.【結果】IVCの最大径を体表面積で正規化したものと,CVPは有意な相関を示さなかった.しかしながら,両点ともIVCCIが小さくなるとCVPが上昇する弱い負の相関を認めた.CVPが10mmHG以上の高い症例において,IVCCIによるその検出率を検討したところ,IVCCI(A点)では感度79%,特異度66%,IVCCI(B点)では,感度56%,特異度87%にて検出可能であった.【考察】IVCCIは,小児心疾患においても,CVPを推察する一つの簡便な指標であると思われた.

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