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III-E-4 |
QT延長症候群症例のHolter心電図によるQT間隔のスペクトラム解析 |
長野県立こども病院循環器科
西澤 崇,長谷山圭司,金子幸栄,平井克樹,松井彦郎,安河内聰,里見元義 |
【背景】心拍変動が心事故に重大な影響を及ぼすことが知られているが,QT間隔の変動に関しては報告がない.【目的】QT延長症候群にてHolter心電図を用いたQT時間の周波数解析を行うことにより,RR間隔とQT間隔の日内変動について検討すること.【対象】LQT1の兄弟例(14歳と10歳男)2 例と,突然死したLQT2(10歳女)症例 1 例.【方法】Holter心電図記録をフクダ電子社製SCM-6000にて解析し,付属のQT自動解析プログラム〔HPS-QTM(I)〕を用いてRR間隔,1 心拍ごとのQT間隔を計測し時系列データとして抽出した.周波数解析プログラムとしてMemCalc(GMS諏訪トラスト社製)を用いてスペクトラム解析を施行した.【結果】3 例においてQT時間のスペクトラム解析は可能であった.QTM(I)プログラムによる自動的なT-endの同定は精度が低く用手修正が必要であった.特に徐脈時にT波極性が変化するLQT2症例では同定が困難であった.QT間隔の変動はRR変動と同様,スペクトル分布に日内変動を認めた.RR間隔とQT間隔のスペクトラムの比較ではLF/HF(1.0~2.3 vs 0.2~0.5)HF/TF(0.08~0.12 vs 0.2~0.6)とQT間隔の解析にてHF成分がより強く反映された.LQT1とLQT2の比較ではLF/HF(0.4 vs 0.2)HF/TF(0.2 vs 0.6)とLQT2のほうがHF成分のパワーが強かった.【考察】QT時間のスペクトラム解析は,RR時間の解析に比し副交感神経系の活動がより強く反映され,自律神経系を評価する指標の一つとなる可能性が示唆された.より精度の高い診断のためには,今後T-endの判定精度とサンプリングレートの向上が不可欠である. |
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