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III-E-14 |
先天性心疾患患者における頻脈性不整脈の治療経験 |
岐阜県立岐阜病院小児循環器科1),岐阜県立岐阜病院小児心臓外科2)
後藤浩子1),桑原直樹1),坂口平馬1),桑原尚志1),渡辺成仁2),八島正文2),竹内敬昌2) |
【背景と目的】先天性心疾患患者における頻脈性不整脈は血行動態に大きく影響を及ぼすこと,抗不整脈薬の選択や発作のコントロールが困難であることは従来知られている.われわれはこのような頻脈性不整脈患者に対する治療について検討したので報告する.【対象と方法】1998~2005年の 8 年間に,頻脈性不整脈を有した先天性心疾患患者22名を対象とした.手術前頻脈発作出現(以降A群)と手術後頻脈発作出現(以降B群)とで,(1)症例の内訳,(2)頻拍発作の種類,(3)治療および経過について検討した.【結果】A群は13症例.(1)症例はSV 2,AVSD 3,DORV 1,TOF 2,VSD 2,TAPVR 1,Ebstein anomaly 1,isolated ventricular inversion 1.(2)頻拍発作はAF 5,AT 3,AVNRT 4,AVRT 1,VT 2.(3)発作のコントロール不良な 5 例は術前にカテーテルアブレーション(以降ABL)を施行した.心内手術施行10例のうち,9 例は術後発作なし,1 例はSSS + AFである.B群は 9 症例.(1)症例はDORV 1,TOF 4,ASD 2,c-TGA 2.(2)頻拍発作はAF 2,AVNRT 1,AT 3,VT 3,AVRT 1.(3)発作のコントロール不良な 3 例中 2 例はABLを施行した.残り 1 例はTCPC後のためABL困難例.発作のコントロール良好症例は経過観察中である.【結果】先天性心疾患患者における頻脈性不整脈は抗不整脈薬に難治性のものがあった.頻脈発作は血行動態を悪化させるため,コントロール不良症例に対しては積極的なABLが有効であった.コントロール良好症例については,抗不整脈薬中止後の発作再発の有無が今後の課題である. |
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