P-I-46
トレッドミル負荷試験における解析機能付き多機能心電計「レーダーサーク®」を用いたQT時間自動解析の有用性について
島根大学小児科
南 憲明,安田謙二

【背景】トレッドミル負荷試験では運動負荷中に体動,振動,筋電図,基線動揺などのモーションアーチファクトにより心電図波形の解読が困難となる.「レーダーサーク®」は従来の心電計に比べて解析性能が向上しており,振動・衝撃,体動の影響を受けやすい環境下での心電図を高精度に解析でき,また,12誘導で 1 心拍ごとの心電図波形をリアルタイムに自動ノイズ処理を行い,心電図の特徴点であるP,Q,R,S,T点を認識し,PQ,QRS,QT,RR間隔の自動計測が可能である.【目的】トレッドミル負荷試験におけるレーダーサークを用いたQT時間自動計測の値と,手動により計測したQT時間を比較し自動解析の有用性を検討する.【対象】健康成人男性 2 名(23歳,29歳).【方法】レーダーサークの12誘導心電図を装着し,トレッドミルによる 6 分間の急速運動負荷を行った.運動負荷後 1 分ごとの心電図波形のQT時間を自動解析ソフト®で自動計測,および接線法による手動計測を行い,それぞれ測定したV5誘導の連続 5 心拍の平均値の差をt検定によって検討した.【結果】対象 1;自動測定,手動測定のQT時間(msec)の平均値はそれぞれ 1 分値 = 387:378(p = 0.51),2 分値 = 338:331(p = 0.46),3 分値 = 326:317(p = 0.59),4 分値 = 289:283(p = 0.44),5 分値 = 274:273(p = 0.44),6 分値 = 269:265(p = 0.88).対象 2;1 分値 = 344:342(p = 0.56),2 分値 = 352:341(p = 0.028),3 分値 = 323:317(p = 0.24),4 分値=293:292(p = 0.97),5 分値 = 263:263(p = 0.98),6 分値 = 226:237(p = 0.23).【結語】レーダーサークを用いたQT時間の自動解析は臨床的に有用である.

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