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先天性心疾患の経心膜3Dエコー法
長野県立こども病院循環器科1),心臓血管外科2)
梶村いちげ1),里見元義1),安河内聰1),金子幸栄1),大西優子1),才田 謙1),原田順和2),打田俊司2),阿知和郁也2),加藤 香2),豊田泰幸2)

【背景】リアルタイム3Dエコーの臨床応用が開始されたが,解像度の限界からいまだ構築画像を外科手技の参照として用いる例は少ない.S/Nの不足を補間することと解像度の改善を目的として,術野における心膜上にプローブをおいて3Dエコーのボリュームデータを収集し,それから構築された3D画像がどの程度心内構造を表しているかを検討した.【対象】2006年 4 月~2007年 1 月の期間に経心膜3Dエコーを実施した12例の先天性心疾患患者(男:女 = 8:4,年齢 5 歳 5 カ月 ± 3 歳11カ月).【方法】装置はPhilips iE33プローブはX3-1(10例),X7-2(2 例)を用いた.人工心肺装着前に消毒したプラスティックケースに入れたプローブを直接心膜上において,呼吸止めで 4 心拍ないしは 7 心拍の画像を収集した.【結果】全例で3D画像構築に成功し,1 心拍の動画像として観察することができた.subpulmonary VSDのDORVの例では直視下所見を酷似の画像が得られた.【結語】発展途上の段階においては,経心膜3Dエコー法は良質の3D画像を得るための一つの方法と考えられる.

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