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動脈管依存性先天性心疾患におけるPGE1α-CD製剤とlipo-PGE1の効果と副作用の比較
北里大学小児科
木村純人,中畑弥生,大和田夏子,藤野宣之,石井正浩

【背景】2005年より動脈管依存性先天性心疾患においてプロスタグランディンE1α製剤(PGE1α-CD)が保険適応となった.当院においても2005年よりPGE1α-CDの使用を開始しており,2006年までの 2 年間で 6 症例を得た.同時期にリポプラスタグランディンE1(lipo-PGE1)を投与した症例との比較検討を後方視的に行った.【方法】2005年 1 月~2006年12月に当科NICUにて動脈管依存性先天性心疾患16例に加療を行い 6 例にPGE1α-CD,10例にlipo-PGE1を持続投与.PGE1α-CDはすべて10ng/kg/min以下の低用量投与とした.症例は動脈管依存性肺血流型 5 例(純形肺動脈閉鎖 2 例,ファロー四徴症 1 例,両大血管右室起始症 + 肺動脈狭窄 1 例),動脈管依存性体血流型 9 例(左心低形成症候群 4 例,大動脈縮窄症 1 例,大動脈縮窄症 + 心室中隔欠損症 3 例,大動脈離断症 + 心室中隔欠損症 1 例),肺体血流混合型 1 例(大血管転位症 1 例)に分類した.また,今回はductal shock例を除外とした.【結果】PGE1α-CDとlipo-PGE1の投与を行った全例に効果を認めた.投与期間は平均11 ± 14.9日vs 11.5 ± 17.5日,投与量は平均3.99 ± 2.67ng/kg/min vs 3.46 ± 1.80ng/kg/minであった.副作用として認められたのは無呼吸発作であり,3 例(50%)vs 4 例(40%)であった.いずれの症例も副作用による人工呼吸管理は要さなかった.【結論】PGE1-CD群,lipo-PGE1群の投与量,ならびに副作用の出現率に差は認めなかった.

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