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カテーテルアブレーションにおける心臓造影CTの応用
日本赤十字社和歌山医療センター心臓小児科
梶山 葉,芳本 潤,豊原啓子,福原仁雄,中村好秀

【背景】カテーテルアブレーション(CA)を行う場合,心内構造を三次元的に認識することが重要であるが,先天性心疾患患者では,弁輪や心房中隔の形態も多様であるためCAがしばしば困難である.しかし近年心臓造影CT画像を立体構築することで,心形態をイメージしやすくなった.【目的】先天性心疾患患者のCAにおける造影CTの有用性について検討する.【対象/方法】2006年 4 月から2007年 1 月まで当院にて心臓造影CT撮像およびCAを施行した患児 7 名.年齢 0 歳8カ月~17歳 6 カ月,中央値 4 歳 4 カ月.基礎心疾患は単心室 2 例,DORV 3 例,CAVC 1 例,cTGA 1 例.全症例において,CAに先立ち心臓造影CT撮像を行い画像を三次元構築した.【結果】(1)房室弁輪の形態評価:2 例のtwin AVN,2 例のWPW症候において造影CT画像所見で房室弁輪の位置,傾きの評価を行った.CAではCARTOシステムを用いて術前評価を基に弁輪をマッピングし治療に成功した.(2)心房中隔の形態評価:僧帽弁側のAFLおよびWPW症候群に対し,造影CT画像所見を用いて心房中隔の大きさ,傾き,房室弁や肺静脈との関係を評価し心房中隔裂開術のシミュレーションを行った.1 名はSenning術後,1 名はAV discordantで心房中隔は正常と大きく異なっていたが術前評価を基に合併症なく心房中隔裂開術を行うことができ治療に成功した.(3)心房の形態評価:AT症例 1 例に対し造影CT画像所見を用いて心房の大きさ,房室弁との関係を評価した.CAではCARTOシステムを用いて術前評価を基に心房内をくまなくマッピングすることができ治療に成功した.【まとめ】先天性心疾患患者のCAでは心臓造影CT画像を用いて三次元的に評価しておくことが,カテーテル操作に有用であった.

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