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C-III-16 |
Fontan,Glenn術後吻合部狭窄に対するballoon angioplasty |
国立循環器病センター小児科1),放射線科2),心臓血管外科3)
北野正尚1),矢崎 諭1),木村晃二2),八木原俊克3),越後茂之1) |
【背景】Fontan術後吻合部狭窄は,浮腫,片肺の動静脈瘻,対側肺のうっ血等を招く危険がある.Fontan,Glenn術後吻合部狭窄に対するballoon angioplasty(BA)の効果に関して検討した.【方法】2002年 8 月~2006年12月の間に当院でFontan,Glenn術後吻合部狭窄に対してBAを施行した19例(年齢:0.8~18歳,診断:TA 9,isomerism・CAVC 4,MA 3,他 3),26病変〔平均最小血管径(MLD):4.4 ± 1.8mm,平均バルーン径(BD):11.6 ± 3.3mm,平均BD/MLD:2.6,平均バルーン圧(Pre):12atm〕において,BAの効果に関して検討した(有意p < 0.05).【結果】26病変の平均MLDはBA後6.3 ± 2.2mmへ有意に増加した(p < 0.001).径が全く不変であった 2 病変のBD/MLDやPreは他と同程度であり,病変部の硬度が問題と考えられた.1 年後フォローアップ検査を施行した18病変の平均MLDは6.1 ± 1.7から6.7 ± 2.1mmへ有意に発育していた(p = 0.006).これら18病変中13病変(72%)に10%以上の径の発育が認められた.post MLD/pre MLDとBD/pre MLDには有意な相関が認められた(p = 0.001,r = 0.66).post MLD/pre MLDは狭窄部位(SVC-PA吻合部対IVC-PA吻合部),人工血管含有の有無,また術後からの施行時期には関係が認められなかった.肺血流シンチグラフィ(下肢から注入)を施行したIVC-RPA吻合部狭窄の 3 例で左右比の改善を認めた.合併症はなかった.【結論】高耐圧バルーンを用いたFontan,Glenn術後吻合部狭窄に対するballoon angioplastyは有効と評価される.今後も積極的に施行していく. |
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