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蘇生に成功した心臓振とうの 1 例
国立病院機構長崎医療センター小児科
吉岡 可奈子,岡崎 覚,手島 秀剛

心臓振とうは致命率の高い病態であるが,バイスタンダーによる速やかな一次救命処置(BLS)と自動体外式除細動器(AED)の使用により救命できた症例を経験した.症例は11歳の男児.ソフトボールの試合でピッチャーが投げたボールが前胸部に当たり失神したが,ただちに父兄によるBLSが行われ,救急隊が持参したAEDにより除細動が行われた.これらの一連の処置により心室細動から洞調律へ復帰し,後遺症なき生還を達成できた.心事故の死亡率を低下させるためには一般市民へのBLSおよびAEDの普及・啓蒙が必要である.

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