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右室‐肺動脈間病変に対する再(々)手術症例の検討
兵庫県立尼崎病院心臓センター心臓血管外科1),小児循環器科2)
今井 健太1),藤原 慶一1),大谷 成裕1),大野 暢久1),清水 和輝1),藤原 靖恵1),小田 基之1),坂崎 尚徳2),佃 和弥2),坂東 賢二2),李 進剛2)

【はじめに】右室‐肺動脈間病変に関する再手術の例の適応と術式は議論の多いところである.今回,右室‐肺動脈間病変に対する再手術について検討を行った.【対象および方法】過去 3 年間に行った,右室流出路再建後の右室‐肺動脈間病変に関する再手術を行った21例(うち再々手術 5 例)を対象とした.疾患は,TOF:9,VSD/PA:4,TGA:4,truncus arteriosus:3,VSD/PS:1 であった.先行手術は,弁付きパッチ:13(うちePTFE 1 弁付きパッチ:2),人工弁付き導管:4,弁なしパッチ:1,その他:3 であった.年齢は,1~32(中央値13)歳,体重は,9~65(中央値36.3)kgであった.術式はePTFE 1 弁付きパッチ:14,肺動脈弁生体弁置換術:6,ePTFE 3 弁付き導管:1 であった.再手術となった理由,PSおよびPR,心機能につき検討した.【結果】先行手術からの期間は 1~28(中央値10)年,再々手術症例の初回心内修復術からの期間は14~24(中央値20)年,手術理由は,PS:19,PR:2 であった.術前PH,末梢肺動脈病変,PRが問題である成人(に準ずる)例では生体弁による肺動脈弁置換を,それ以外(小児を含む)はePTFE弁付きconduitまたはパッチによる術式を選択した.術後経過観察期間は 1~38(中央値15)カ月で,死亡例ない.mPA-RV圧較差,RV/LV収縮期圧比は術前49±27mmHg,0.70±0.14から術後21±16mmHg,0.43±0.11といずれも有意に低下した(ともにp < 0.01).術後PRはmild以下19例,mild-moderate 1 例,moderate 1 例で進行はなかった.【結語】右室‐肺動脈間再建の再(々)手術症例の中期成績は良好であった.今後,生体弁,弁付きパッチの経過を含めて長期の観察が必要である.

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