P-46
心房・心室頻拍のコントロールに,ニフェカラントでtorsade des pointes(TdP)が誘発され,アミオダロンに変更した乳児心筋炎の 1 例
社会保険中京病院小児循環器科
大橋 直樹,松島 正氣,西川 浩,久保田 勤也

【症例】3 カ月,男児.感冒症状が続き,頻脈を指摘され,近医受診.拡張型心筋症を疑われ,当科へ紹介.モニター上,心房頻拍,心室頻拍を認め,心エコーにて,著明な左室拡張末期径の拡大と駆出率の低下を認めた.血液検査上,CPKは上昇し,トロポニンTは陽性であった.以上の所見から,心筋炎を疑い,γグロブリン,ステロイドパルス,ミルリノンを使用し,不整脈治療としてニフェカラントを0.4mg/kg/hrで開始した.ニフェカラント開始 2 日後,TdPを認めたため,ニフェカラントを中止し,アミオダロンに変更.アミオダロンは 5mg/kgのloading後,5μg/kg/minで開始した.変更後 8 日目にアミオダロン内服20mg/kgを併用し,アミオダロン静注は10日目に終了した.アミオダロン開始 2 週後に洞調律に復した.その後,心拡大の改善と,心機能の回復を認め,心筋炎と診断した.アミオダロン内服は漸減中止の予定である.【結語】ニフェカラントでTdPが誘発されたと考えられたため,アンカロンに変更し,その後安全に管理し得た乳児心筋炎の症例を経験した.

閉じる