VSD/high flow PHに対する手術成績を検討した．対象は2007年 1 月から2008年 1 月までのVSD/PH連続14例．年齢中央値 4 カ月（2～11カ月）．体重中央値5.2kg（3.7～7.5kg）．VSDは膜様部12例，肺動脈弁下部 1 例，膜様部筋性部併存 1 例．合併心病変はPFO 12例，ASD 1 例，PDA 4 例，MR 1 例．心外病変は21 trisomy 3 例，唇顎裂 1 例．水頭症 1 例．全例心エコーによる診断で術前カテーテル検査は 2 例に施行した．手術は常温人工心肺，冷却晶質液心筋保護による心停止を補助手段としVSDはゴアテックスパッチ，連続縫合で閉鎖した．合併手技としてPFO直接閉鎖12例，ASDパッチ閉鎖 1 例，PDA結紮 4 例，右室流出路心筋切除 4 例，僧帽弁輪縫縮 1 例を施行した．全例にMUFを施行．術中経食道エコーを12例に施行し残る 2 例は心外膜エコーを施行した．平均手術時間 3 時間20分．平均人工心肺時間95分．平均大動脈遮断時間63分．平均人工心肺充填量303ml（血液充填 5/14例）．輸血（MAPのみ）症例13/14例．平均挿管時間 6.5時間．平均ICU滞在 3 日．平均術後退院日13.4日．遺残VSD tiny 8/14例，none 6/14例．手術死亡 0/14例．合併症：縦隔洞炎 1/14例，房室ブロック 0/14例．再入院 0/14例．VSD/high flow PHに対する手術治療成績は良好であった．早期手術，人工心肺充填量，輸血量の削減などが良好な成績に寄与していると推測する．